石狩湾耳鼻科 | |
こどもの鼻出血 |
こどもが鼻血を出す Q こどもがよく鼻血(はなぢ)を出しますが、どうしてでしょう? A 鼻血が出る場所のほとんどは鼻中隔のキーゼルバッハ部位と呼ばれるところです。鼻の中を左右に分けている仕切りが鼻中隔です。この鼻中隔の前の方、鼻の穴から1から2cm くらい入ったところがキーゼルバッハ部位です。この部は上方、下方、奥の方からの血管が集まっていることに加え、機械的な刺激を受けやすいため出血しやすいのです。こどもの場合、アレルギー性鼻炎などがあると、かゆみで鼻の中をよくいじることが多くなります。指先、爪でこのキーゼルバッハ部位の粘膜を傷つけてしまうのです。朝に鼻血が多いという場合も、寝ている間に、無意識に鼻をいじり引っ掻いてしまうものと思われます。頻繁に鼻血を繰り返す場合は一度耳鼻科でアレルギー性鼻炎の有無などを調べてもらうことをお勧めします。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などが原因の場合は、飲み薬、点鼻薬などでこれらの病気を治療することにより鼻血は出なくなります。テレビドラマの中では、鼻血といえば、白血病の前兆のことが多いのですが、実際これら血液疾患、あるいは鼻腔腫瘍などが原因のケースは稀です。 Q 鼻血が出たときの対処を教えてください。 A キーゼルバッハ部位からの鼻血は通常数分以内に自然に止まります。どうしても止まらないときの処置の基本は圧迫止血です。鼻を2本の指でつまみ下を向かせます。座った状態で鼻をつまむとよいと思います。5分から10分これを行っても止まらないときは綿球などを鼻の中に入れて同様に鼻をつまんで下を向かせます。先に述べたキーゼルバッハ部位に綿球があたっていれば理想的です。鼻血が出たとき、上を向いている場面がよく見うけられますが、これは間違いです。上を向いてしまうと血液がのどのほうに流れて飲み込んでしまうことになりよくありません。これらの処置で止まらないときはキーゼルバッハ以外からの出血、他の病気による可能性があり、医療機関への受診が必要です。 鼻血が出たとき上を向くことには服を汚さずに済むという意味しかありません。また、後頭部をトントン叩く、鼻を冷やすということもよく行われていますが、特に意味があるものとは考えられていません。
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